夫婦で財布を一つにした話 — 残高まで全部見せることにした理由
資産1.8億円までにやったことの中で、無駄がいちばん減ったのはこれでした。
夫婦で財布を一つにしたことです。残高まで含めて、お互いに全部見えるようにしました。
賛否が分かれる話だと思っています。「うちは別々でうまくいっている」という方もいるはずです。なので、これが唯一の正解だとは書きません。自分たちはこうしてこうなった、という話として読んでください。
「生活費は折半、あとは各自」の何が問題だったか
共働きでよくある形が、生活費を折半して残りはそれぞれ、というものです。
一見フェアですし、お互いの自由も守られます。実際、揉めにくい方式だと思います。
ただ、この形には1つだけ困ることがありました。
世帯としていくら貯まっているのか、誰も分からない。
自分の貯金額は分かります。相手のも、聞けば教えてくれるかもしれません。でも合計を継続的に把握している人が誰もいない。すると次のことが起きます。
- 世帯の貯蓄率が計算できない(=いつ目標に届くか分からない)
- 片方が貯めて、片方が使っていても気づかない
- 大きな支出(住宅・教育・車)の判断が、それぞれの感覚になる
- 保険や証券口座が重複しても分からない
家計は「個人」ではなく「世帯」の単位で最適化しないと効きません。別々のままだと、最適化しようがないというのが、やってみての結論です。
実際にやったこと
やったのは3つだけです。
1. 口座を集約した
生活費用、貯蓄用、投資用と役割で分け、どちらの名義かではなく用途で管理する形にしました。
2. マネーフォワードに両方の口座を連携した
残高もカードの明細も、両方から見える状態にしました。これで「聞かないと分からない」状態がなくなります。連携数の関係で有料版が必要になりますが、ここはケチらない方がいいと思っています。
3. 細かい支出には口を出さないと決めた
ここが一番大事でした。全部まとめるだけだと、単に窮屈になるだけです。
「一つにする」というのは「全部の支出に説明責任を負わせる」ことではありません。
うちは金額の枠すら決めていません。 お互いが良識の範囲で使って、大きい支出のときだけ相談する。それだけです。中身は聞かない。これがないと続きません。
全部見せることの副作用
いいことばかりではなかったので、そこも書きます。
相手の支出が目に入るようになります。 見えると、言いたくなります。これは自分の側の問題で、口を出しすぎると一気に空気が悪くなりました。
対処として、個別の支出には触れないというルールにしました。話すのは合計と方針だけ。上の「細かい支出には口を出さない」がここで効いてきます。
もう1つ、役割分担を決めておかないと片方に負担が寄ります。
うちは、家計簿アプリへの入力はそれぞれ、集計と分析は自分、という分け方にしています。方針を決めるのも自分ですが、決めたことは必ず説明して、納得してもらってから進めます。
最初は全部自分でやろうとして行き詰まりました。人の財布の中身は本人しか分からないからです。一人で背負うと止まる。丸投げすると噛み合わない。 そのあいだを探すことになります。
月に1回、2か月遅れの数字で話す
月末に、夫婦でお金の話をする時間を取っています。
見るのは、その月ではなく2か月前くらいの数字です。締めを待っていると話す機会そのものがなくなるので、ざっくりで十分と割り切りました。
話す内容は「増えたか減ったか」と「何か大きなことがあったか」だけ。30分もかかりません。
きっちりやろうとすると続かない、というのは家計管理全般に言えることだと思っています。精度を上げるより、やめないことの方がはるかに効きます。
向いていないかもしれないケース
正直に書いておきます。次のような場合は、無理に一つにしない方がいいと思います。
- どちらかが強く抵抗している(納得のないまま進めると必ず揉めます)
- 収入差が大きく、少ない側が引け目を感じる関係になっている
- そもそもお金の話をすると喧嘩になる状態
最後のケースでは、財布を一つにする前に話せる関係を作る方が先です。順番を間違えると逆効果になります。
一つにするかどうかより、世帯の合計を2人とも把握している状態の方が本質です。別財布のまま合計だけ共有する、という中間の形でも効果はあります。
まとめ
夫婦で財布を一つにしたのは、節約テクニックではなく、家計を世帯単位で見るための土台づくりでした。
いきなり全部まとめるのが難しければ、まず「世帯の純資産の合計を2人で1回出す」ところからでいいと思います。それだけでも、判断の質が変わります。
家計の状態をスコアで見るツールを置いてあるので、話すきっかけに使ってみてください。
この記事は、Xで毎朝更新している連載「1億円までにやったこと、100個ぜんぶ書きます」の5日目にあたる内容です。
本記事は個人の見解であり、特定の金融商品の勧誘・推奨ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。